「病院に行くの、ちょっと面倒だな……」
予約を取る。予定を空ける。病院まで行く。受付をする。待つ。診察を受ける。場合によっては、そのあと薬局にも行く。
必要な受診なら、もちろん行くべきです。でも、症状によっては「これ、自宅から受診できたらラクなのにな」と思うこともあります。
僕は10年間、オペ室の看護師として働き、管理職の立場も経験しました。その後、主夫になって、家事や生活の「面倒」を毎日感じるようになりました。今は、心療内科のクリニックや病院の仕事にも携わっています。
そんな経験からすると、病院は「診察そのもの」だけでなく、**病院へ行くまでの時間や手間も負担になる**ことがあると感じます。
そこで気になったのが、オンライン診療でした。
ただ、「病院に行かなくていいから便利」だけで終わらせるのは、少し違います。この記事では、医療現場で働いてきた僕が、患者側の目線でオンライン診療の全体像をまとめました。くわしい内容は、それぞれの記事で解説しています。
**こんな人に読んでほしい**
- オンライン診療が何なのか、まずはざっくり知りたい
- 病院に行く時間や手間を減らしたい
- 初診・薬・料金など、気になることをまとめて確認したい
- 自分にオンライン診療が向いているか知りたい
## オンライン診療とは?
オンライン診療は、スマートフォンやタブレット、パソコンなどを使って、自宅などから医師の診察を受ける方法です。
厚生労働省も、スマートフォンなどを使って、自宅等にいながら医師の診察や薬の処方を受けられる診療と説明しています。
簡単に言えば、**「病院まで行かずに、オンラインで医師の診察を受ける方法」**です。
ただし、対面診療と同じことがすべてできるわけではありません。オンラインでは触診などができず、医師が得られる情報にも限りがあります。
そのため厚生労働省は、オンライン診療を対面診療と適切に組み合わせて行うことを基本としています。医師がオンライン診療では適切でないと判断した場合は、対面診療につなげることになります。
つまり、「オンライン診療=病院に行かなくていい」ではありません。ここは最初に知っておきたいところです。
## オンライン診療で何がラクになる?
病院を受診するときは、こんな流れがあります。
病院まで移動する → 受付をする → 待合室で待つ → 診察を受ける → 会計をする → 薬局へ行く
オンライン診療では、このうち**医療機関へ実際に足を運ぶ負担**を減らせる可能性があります。
特に、こんな人にとっては、通院とは別の選択肢になります。
- 仕事で時間を作りにくい
- 子育て中で外出が大変
- 医療機関まで距離がある
- 定期的な受診の負担を減らしたい
ただし、これは「誰でもオンライン診療が使える」という意味ではありません。
## オンライン診療のメリット・デメリット
ざっくりまとめると、こうなります。
| メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|
| 病院まで移動しなくていい | 触診や検査など、対面でしかできない診察がある |
| 待合室で待つ負担を減らせる場合がある | 症状によっては対面診療が必要になる |
| 仕事や育児で外出しにくいときの選択肢になる | スマホなどの機器と、通信環境が必要 |
| 「病院へ行く」ハードルが下がることもある | 会話を聞かれない場所など、環境づくりが必要 |
> メリットより、デメリットを知っておくほうが大事だと思っています。「病院に行かなくていい便利な方法」とだけ考えて使うと、思っていたのと違った、となりやすいからです。
メリット・デメリットは、対面診療との比較表も入れて、こちらでくわしく解説しています。
## 初診からオンライン診療は受けられる?
初診からオンライン診療が行われる場合はあります。
ただし、**誰でも、どんな症状でも、初診からオンラインで受診できるわけではありません。**「初診OK」と書いてあっても、自分の症状で必ずオンラインだけで完結するとは限らないので、予約前に医療機関やサービスの案内を確認しておきましょう。
初診については、こちらにまとめています。
## オンライン診療に必要なもの
基本的には、スマートフォン・タブレット・パソコンなどの機器と、インターネット環境が必要です。
ただ、利用する医療機関やサービスによって、アプリのインストール、本人確認、保険証の確認、問診、支払い方法の登録など、必要な準備が違います。
準備と受診の流れは、こちらでくわしく書いています。
## 薬はオンラインでも受け取れる?
オンライン診療では、医師の判断によって薬が処方される場合があります。
ただし、**オンライン診療なら必ず薬を処方してもらえる、というわけではありません。**厚生労働省も、医師の判断によって薬を処方できない場合があることや、初診時の一部の薬に制限があることを案内しています。
処方された薬の受け取り方法も、医療機関や薬局によって違います。「診察を受けたら、薬が自宅に届く」と決めつけず、**薬をどう受け取るのか**まで確認しておくと安心です。
## オンライン診療の料金は?
オンライン診療の料金は、「○円」と一つの金額では言えません。診療内容や医療機関、保険診療か自由診療か、薬代や送料などによって変わります。
確認したいのは、この4つです。
- 診察にかかる費用
- 薬代
- 送料
- システム利用料などの追加費用
**「診察料だけを見て決めない」**のが大切です。料金の内訳は、こちらでくわしくまとめています。
## オンライン診療が向いている人・対面を考えたほうがいい人
| オンライン診療を検討しやすい人 | 対面診療を考えたほうがいいケース |
|---|---|
| 通院の時間を取りにくい | 検査を受ける必要がありそう |
| 医療機関まで遠い | 実際に診察してもらわないと分からなそう |
| 仕事や育児で外出しにくい | 症状が強い |
| 定期的な受診の負担を減らしたい | 急いで診てもらったほうがよさそう |
左に当てはまるからといって、オンライン診療が必ず合っているわけではありません。症状や診療内容によっては、対面診療が必要です。
オンライン診療は、**「対面診療の代わり」ではなく、「条件が合えば使える受診方法の一つ」**と考えると分かりやすいと思います。
どの医療機関・サービスを選べばいいか迷ったら、こちらも参考にしてください。
## 看護師の僕が調べて感じたこと
調べてみて一番感じたのは、**オンライン診療は「病院に行かなくていい魔法の方法」ではない**ということでした。
でも、「受診にかかる面倒を減らすための選択肢」にはなります。
医療現場にいると、「安全に診療するには何が必要か」という側から考えることが多くなります。一方、主夫になってからは、「これ、もっとラクにできないかな」と考えることが増えました。
この2つを経験しているからこそ、僕はオンライン診療を「ラクそうだから使う」ではなく、**「安全性を保ちながら、どこまで面倒を減らせるか」**という目線で見たいと思っています。
> 家事もそうですが、「全部自分で頑張る」か「全部誰かに任せる」かの二択ではありません。その間に、「条件が合うところだけラクする」という選択肢がある。オンライン診療も、そんな選択肢の一つだと思います。
## まとめ
- オンライン診療は、スマホやパソコンを使って、自宅などから医師の診察を受ける方法
- 移動や待ち時間など、病院へ行く負担を減らせる可能性がある
- ただし、すべての症状に使えるわけではなく、対面診療が必要になることもある
- 薬を必ず処方してもらえるわけではなく、料金も診察料だけでは判断できない
- 「対面診療の代わり」ではなく、「条件が合えば使える受診方法の一つ」
面倒くさいことは、できるだけラクに。でも、安全に必要なことまでは省かない。
**自分の症状や状況に合っているなら、受診の負担を減らす選択肢としてオンライン診療を検討する。** それくらいが、ちょうどいいと思います。
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